へや

 リカと私は一緒の家に住んでいる。玄関を抜けるとリビングがあり、その先は左右二つの部屋に分かれている。上から見ると、ズボンのような間取り。右足と左足を間違えると、とても気持ち悪いけれど、死ぬわけでもない。

 リカと私は一緒の服飾学校に通っている。一緒に住むようになる前から、私はリカを遠くから眺めては憧れていた。私は女だけれど、リカを好く気持ちは、どんなにリカを好きな男の子にも負けないだろうと思っていた。抜け落ちた彼女の睫毛さえもかき集めたい、と思うくらいの、一種、気味の悪い、一方方向の愛だった(と思っていた)。だってリカは、世界の中心だった。羅針盤を出せば全部がリカのほうへ針を向ける。そうして集めた皆の好意を汲み上げてさらに美しい好意を振りまく、リカは、公園の真ん中にある噴水のような、素敵な装置だった。どちらが先かは分からないーー集めるのが先か、振りまくのが先かーーでも生まれた時からそういう仕組みでまわっていたのだろう、きっと、リカの周りの世界は。

 リカは美しい人気者(マグネット)だった。彼女はいつもふわふわ、ひらひらした洋服を身につけ、私の視界の端へ、思わせぶりな裾やフリルをちらつかせ、惑わせた。ふさふさの睫毛で瞬きするたび、まるで光の粉でもこぼれるようだった。その光の粉を集めることも、ましてや睫毛を集めることも無理だったから、私はせめて、と、彼女の制作の場に残るレースの切れ端や糸くずを拾っては、こっそり手帳のポケットにしのばせた。彼女の作るものは彼女の頬や唇と同じ薄いピンク色ばかりで、誰にとってもくずでしかないはずのそれらは集められるとまるで幸福の材料の詰め合わせのように見えた。

 そんな様子だったから、彼女が私を気にかけているなんて知った時は驚いた。お姫様に見初められた城の門番のような気持ち。とんちんかんすぎて、すぐには状況を理解できなかった。

 ある日の授業後、リカがおもむろに私のところへやってきて言ったのだった。あなたって、トルソーみたいね。

 トルソー……。私はそれが褒め言葉なのか貶し言葉なのか分からなかった。その日私は、というかいつも私は、とあるレディメイドの安ブランドのジャケットと、カットソーと、パンツを履いていた。そのブランドは生地は安物だが型紙(パターン)が素晴らしく、私はそのブランドの34サイズのトルソーなのではないかというくらいに、何を着てもぴったりと馴染んだ。だからもはや試着無しでも買えるほどに信頼しているそのブランドの服しか、買わなくなっていた。そういう、服飾学校の生徒としてあまりに怠惰で保守的な姿勢を、トルソーみたい、と、皮肉られたのか? と、一瞬思ったのだ。

 それ、H&コネクションだよね。と、彼女は私の着ているブランド名を言い当てた。

 もし、そこが片袖の無い服を打ったら、あなた片腕切り落としそうね。

 私はぽかんとし、そして少し考えてから頷いた。そうして、初めて褒められているのだ、と気付いた。

 それから信じられないスピードで私達の同居話は決まっていった。近づくほど吸い込まれる速度の速くなる蟻地獄のようだった。ルームメイトが海外留学することになり今の部屋を引き揚げることになった、近日中に新しい住みかを見つけないといけない、できれば学校の近くで同じ学生同士がいい、ミシンを借り合ったりできるから。私は彼女の話にうんうん頷いているだけでよかった。それで、自動的に、滑らかにきまったのだ。

 周囲は、見かけも性格も違う私達が突然同居することになったので驚いていたが、私に言わせれば、私達ほどうまくいく関係も無いだろうと思うのだ。彼女が引っ張る、私がついていく。彼女が話す、私が頷く。彼女が決める、私が従う(だって私は彼女が気に入るなら何でもよかった)。つまり、私は愛す、彼女は愛される。

 私が彼女の何に一番惹きつけられていたかというと、自分に似合うものを熟知し、必ずそれを手に入れるという意志の強さと素早さだった。彼女はいろいろなテイストの服を着ているように見えても自分に似合うものだけを周到に選びとっていた(例えば同じピンクでも薄いピンクは似合い、濃いものは似合わない、またサーモンピンクは似合わない、肩幅がやや広いからパフスリーブを着ればそれをカバー出来る、など)。そして服だけでなく発言や仕草にまで、自分をよりよく見せるために注意深く気が配られていているように思えた。そして、男の子のことだって、私がちょっといいなと思った隣のクラスの男の子の名前を知る頃にはもう、彼女はその男の子と付き合っていた。嫉妬する間も与えなかった。そんなことをする代わりに、彼女に対する称賛が湧きあがって来て、私は彼女をもっと好きになる。彼女とは逆に、好きなものには選ばれ、とりつかれ、沼にずぶずぶと嵌まっていくようにとりこまれていつしか別な服屋に行くことさえできなくなってしまう私にとって、彼女の、自分に見合うものを選ぶ正確さ、意志の固さ、揺るぎなさはあっぱれと言いたくなるくらいのものだった。

 そしてそんな彼女に、私が、選ばれた理由である。彼女は言う、カリンは無駄が無い、仕上がり日きっかりに間に合わせる仕立て屋のハサミみたいに、潔くて、嘘が無い。自分の形に本当に沿うものしか着たくなくて、服も、髪も、シンプルで勝負している。作るものと姿形を目で追っていれば分かる、たとえ話したことは無くとも、だから私は、同じクラスになってからずっとカリンに憧れていた、と。

 その言葉の後彼女は私の課題の内容やプレゼンの日の服装まで、まるで自分の大事な記念日の出来事のように、ことこまかに思い出して語った。私は心臓が止まるかと思った。私達は同じ時に、お互いを、気にし合っていたのだ。

 しかし彼女が私をパートナーに選んだ一番の理由は、やはり、私が、彼女をものすごく好きだということを彼女が知っていたからだと思うのだ。彼女の発した「片腕切り落としそう」という台詞、いつも用意周到に編まれている彼女の発言や仕草の一群から逸脱している、毒気を含んだ言葉。彼女は決して悪口を言わない子であると見せかけて、その実ある場においてはちょっとした悪口が他人との結束を強める魔法のスパイスになることも知っている。彼女に好意を持っていない者に吐いたら逆効果となるかもしれない、危ない毒気を仕込んだ最初の一撃で、彼女は、すでに私が彼女へ持っていた淡い憧れを強固な忠誠心に変えてしまったのだ。私の、服飾の学生にしては変わり映えのしない格好をしているという気おくれと隣り合わせの、服に選ばれた奴隷としての不思議な誇りを、荒っぽく呼び覚ますことで。

 こうして、初めて見る者を親と思う雛のように、すっかり調教されてしまった私と、彼女との関係は、とてもうまくいっていた。

 彼女は私達のリビングにアロマオイルを持ち込む。バスルームには薔薇の香りのシャンプー。

 私は二人分の料理を作る。私達は同じものを食べ、同じ香りに染まる。私の作ったものでリカの身体が作られて、リカの香りが私に移る。私はお風呂に入り薔薇の香りに包まれながら、あまり人を寄せ付けない性質の私にも、彼女の、蜂を集める花のような魅力が少しでも備わればいいと思う。

 私達はお互いの領分に口出ししない。お互いを尊敬し合っている。同居生活は信頼と愛のある無関心によって、順調に進んでいった。

 例えばリカは私に「無断」で彼氏を新調する。私は学校で、彼女が彼氏と一緒にいるところに突然出くわし、同居人、と紹介され、一緒にカフェに行くことになる。その後二人で帰宅しても私は根掘り葉掘り聞かない(一度リカは私に言ったのだ、カリンは秘密を引っ張りだし合うのが友情って思っていないところが好き、と。)、そんなことよりデートに混ぜてもらったことを喜んでいる。そしてひとつ、リカは彼氏のことがあまり好きそうではないな、というところを内心で気にかけていた。

 リカの今度の彼氏は同じ学校の学生ではなく友達の紹介で出会ったという大学生だった。いかにもリカを好きになりそうな、リカと同じふわふわとした雰囲気を持った男の子で、二人でピクニックでも行ったら似合いそうだった。リカを食べに来る狼というよりは、一緒に草を食む羊同士のよう。きれいな顔をしているけれど服にはあまり興味が無さそう、というか、人に良い印象を与えるためにはあらゆることに最小限の気を配らなければいけない中で、服にも気を配っている、という風だった。無難でさわやか。リカは自分自身あれほど服に心を傾けているのに相手にそれを望まないのだろうか、と思った。

 私が、リカは彼氏をあまり好きではないな、と思ったのは、三人でいるのにリカと私にしか分からないレディースブランドの話ばかりもちかけてくるからだった。彼氏がリカをものすごく好きだと思ったのは、分からない話にも、まるで尾を振る犬のようにうんうんと頷いているからだった。私が彼氏の中で良いと思ったところは、彼の骨格だった。良い背骨をしている、背広を上手く吊れそうな。彼も彼女のトルソーなのだろうか。

 彼は一度二度、私達のところへ来て一緒に夕食を食べて帰った。私は普段リカにしか食べさせない手料理をそれ以外の人に振る舞うことが出来るので張り合いがある。善良な同居人として振る舞い、リカの株を上げられるように努力する。私は、リカが輪の中に入れてくれるのを光栄に思っている。同時に邪魔じゃないかと不安にも思うが、ここが私の家なのでこれ以上帰れないのでせめてでしゃばらずにいる。

 ある日、リカがいつまで経っても帰ってこない。私は冷たい家の中でひとり先に眠る。ズボンのもう片足、壁を隔てているけれど、いつも、隣室にリカが眠っていることを無意識に感じて、安心して眠っていたのだな、と、失ってから気付く。脳をこじ開けられたような不快な金属音がして目覚める。玄関の鍵が開いたのだと気付く。こそこそと話し合う声が聞こえる。彼氏が一緒だ、と、私は直感する。布団の中で目を開けても瞼の色と同じ濃さの闇が広がっている。その中を温かい二つの塊が掻き分けているのが感じられる。そう、見えなくても。二人はもう声を出さない。でも体温でぬくんだ重い息が吐き出されて、私の場所を圧迫してくる。

 二人はもう隣の部屋に入った。衣擦れの音がする。服が脱がれるにつれて二人の気配もむき出しになっていくように感じられる。ねっとりと粘度のついた吐息が私の肌に押しつけられるような気がする。私は目を閉じていることが出来ない。開いた視界の真っ暗の中に、私の作った二人のなまめかしい映像が勝手に投影されていく。止まらない。隣室から忍び出てくる声や温度が私の目玉に張り付いてきて、見もしないものを、まるで、見たかのように。私はたまらなくなり布団から出て隣室との壁に耳をつける。私は、罪悪感は無い、怒りも無い。ただ、彼女の花の魅力の一番甘い蜜の部分を、横から少しでも舐めとりたい。

 翌朝何食わぬ顔で私達はリビングで出会う。私達はお互いの領分に口出ししない。お互いを愛しているから。もし私が下手なことを言って、彼女が二度と彼を連れてこなくなったらどうする。私は確信している、彼女は知っている、私が聞き耳を立てている、と。彼女は私に何も迷惑をかけていない、だから私は何も言わない。私達はうまくいっている。

 同じことが二度、三度と繰り返される。私はリカが遅くまで帰ってこない日は楽しみで気が気でなく、布団に入っても威勢のいい寝返りを打ってばかりいる。彼女は決して「意図的に」私を起こしているわけではないので、極力静かに玄関を開け、彼を部屋に招き入れる。なのに私は空気の流れで目が覚めてしまう。彼女の香りを注意深く嗅ぎとってしまう。そう、この香りこそ、私を惹きつけるもの。私が少しでも自分の身に移らないかと願っているもの。彼女だってそれを分かっている、だから私の鼻先に突きつけるのだ、眠っているから、という、言い訳を利用して。

 ある日、金魚すくいの膜のように破れる。彼女らのショーに幕が引かれた深夜と明け方の間の時間、ゆるみ切った私はベッドを抜け出してトイレに立ち、リビングにたたずむ彼氏に出くわす。引っ越しで最後まで取り残されて、家と一緒に取り壊しを待つ家具みたいに、消極的な態度で食卓の椅子に座っていた。この人は人間の言葉を喋れるのだろうか。と思ったところで、おなかすいて、ねむれない、と、置き手紙のように喋った。おなかがすいて、ねむれない! 私はもっとすごいところが渇望して毎夜眠れないというのに。

 でも、ちょっと可愛らしいと思ってしまう。難しいことは出来るのに、簡単なことを忘れてつまずいているみたいで、拍子抜けしてしまう。息の仕方が分からなくなったと言って混乱して泣く子供のようだ。

 私は、実の詰まったものを作ってやろうと思って、カルボナーラに決める。卵と牛乳。私の幾つもの眠れぬ夜を呑む闇のように、まっ黒なフライパンへ、滋養の塊が呑み込まれる。彼の肌のように白く滑らかなパスタが出来た。相手の都合を考えずに自分の作りたいものを作り私はすでに満足していたので、食べ始める彼を見届けずに予定通りトイレへ向かった。

 トイレを出たらもう食べ終わった彼と目が合った。まだお腹が空いている、とでも言うような、二つの卵のように爛々とした瞳、その瞳に見つめられて、私は初めて、自分がひどい格好をしていると気付いた。着古したパジャマ、肩からへそへと絶壁のように垂直に落ちる布地の上にコインが二枚貼りついたような乳頭がみすぼらしく目立つ。牛乳と卵を与えて急速にしぼんだ気分になった私は、一刻も早く眠ってしまおうと、自室の扉を開けようとする。そうすると彼がついてきた。この人は右と左も忘れてしまったのか。リカの部屋は逆だ。

 起しちゃうから。彼は言った。今からリカの隣へ戻ると、リカを起こしてしまうから、ということか。私も寝るんだけど……。私が無視して布団にもぐり込むと、真似をする子供のようについてきた。老婆のような気分の私は死んでしまおうと息を殺して彼氏に背中を向ける。彼は猫のように私の背中にくっついたり、もぞもぞしたりしている。私は薄い意識の中で、リカは多分明日の朝彼をここで見つけても怒らないだろうと思った。

 翌朝彼はリカが起きる前に帰った。

 そして私達はリビングでおはようを言い合う。そのあとは何も言わない。なぜなら私達はお互いこそを愛しているから。心なしか彼女の微笑みがいつもより深い気がする。

 そのあとニ、三度彼はリカと寝た。私はその度聞き耳を立てていたが、それは以前ほど楽しいものではなくなっていた。リカの温度が下がっている、そしておそらく、それにつられて彼氏も。この楽しみは終わりつつあるのかもしれない、リカにとっても私にとっても。

 そして新しい方法が考えだされる。彼が、昼間に、独りで、初めて訪れる。リカはいないよ。私は淫売屋のやり手婆の気分で答えたのに、知ってる、と彼は言って家に上がって来た。

 僕が好きなのは、カリンかもしれない。そう言ってよれよれの部屋着の私にしがみついてきた。その時私は新しいコースをとることを思いついた。私は、今日の夜中に忍び込んできて、と要求し、合鍵を渡して彼を追い出す。リカが不在では成立しない。私は彼に肌を触られても何も高揚しない。

 果たしてその日の夜合鍵は使われた。布団の中で耳を澄まして待っていた、カチリと冷たい音がして、私は安堵と緊張とを同時に覚える。彼は左と右を覚えている? 多分隣の部屋に行かれたほうが、私は高揚したかもしれない。要らないものでも、手に入れられないと分かると急に燃える嫉妬があるから。しかし開かれたのは私の部屋だった。これからは私がリカを楽しませる番。間違い無く、隣室で、彼女は、目を覚ましているから。

 動物の子供がじゃれ合うような、可愛らしい声をあげていたリカと彼氏だけど、相手が変われば同じではなかった。

 「好きかもしれない」なんて弱腰なことしか言わない男に何の興味も湧かなかったけれど、リカの彼氏だった男だと思えば私の食指は勢いづいた。

 私は彼を泣かせた。

 翌朝私達はリビングで微笑み合う。珍しくリカが口を開いた。私、彼氏と、カリン、どっちが好きだと思う? と。それは私がリカの彼氏と初めて会ったカフェの時から、答えの出ていたことだった。私は自分の胸を指さした。リカはうなづいて、言う。だから、それが、彼氏にも伝染しちゃったみたい。

 リカは楽しそうだった。自分が他人の感情を引っ張ることが出来たのが嬉しい、いたずらっ子のような笑い方をした。私は言った。私も、男より、リカが好きだよ。

 だから私達はキャッチボールみたいに彼氏を投げ合う。愛しているのはボールではなく、投げる相手。

 私は単調な彼氏に程無くして飽きる。可愛らしいネグリジェ姿でリカが誘えば、彼はそっちの部屋へ戻って行った。そうして私はまた壁に耳をつけて、隣室の様子を夢想する。その方が楽しい。私達は誰も来ない日はひとつのベッドで眠るようになる。そうして、同じ匂いをまとい、同じものを食べ、どんどん似ていく。

 私達はとびきりのことを思いつく。私達は互いの部屋に入る。リカの部屋だと思って扉を開けたら、私が待ち構えている、その時の彼の混乱した様子を楽しむ。泣きそうな様子で私の身体にしがみつき、私の身体に溺れる。

 リカは相変わらず彼氏の前では私の話ばかりする。私と彼氏が秘密でつながっていることには気づかない風を装い。そうして、リカの、私への愛を、じんわりと、浸透させていく。どちらを向いていいのか分からない可愛そうな彼氏の姿が、目に見える。

 ついに彼氏はこの部屋を飛び出し、二度と寄りつかなくなる。

 私達は男の人がいなくてもやっていけるのではないか? リカはもはや私を愛していて、私がリカを思う気持ちも男が女を愛するそれに近い。

 でも……、私は心の中で首を横に振った。リカは、それではダメなのだ。

 次の男の子を、探してこないとね。

 私のその言葉がため息とともに吐き出され、私達をどうにもならない悲しみで包む。突然リカが、紙屑のように顔を潰して泣き始める。嗚咽の隙間から、自分自身に突き刺すように言った。どうして、男の子じゃなきゃいけないんだろう。なぜ、カリンだけじゃだめなんだろう。男の子なんて好きじゃないのに。だからいつも追い払ってしまうのに。なのになんで、また、すぐ、欲しくなるんだろう。

 私は思った。自分を素敵に見せるアイテムを逃がさず手に入れる、彼女のその性質も、病気じみたものなのかもしれない。世界中から愛されているように見える彼女は、だからこそ、愛され続けるために、まるで、脅迫されているかのように、素敵なアイテムを必死で手に入れ続けなくてはいけない。

 私は彼女の素敵なアイテムではない。

 また新しい男の子を探してきてよ。それでまた、分けっこしよう。

 私達は抱き合う。互いの胸をなであって、でも、なんとも思わないことを確かめ合う。

2011年 / 7,711字(21枚)

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